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林眞須美死刑囚からの電報
JUGEMテーマ:日記・一般

先日、午前中寝ていると家のチャイムが鳴りました。

なんだろう、こんな朝早くから、とインターホンをONにすると
「電報です。受け取りますか?」との声。

なんだ、この時代に、電報とは「チチキトクカ」?
と受け取ってみると、あの林眞須美さんからの電報でした。

そこには「確かに受領しました。どうもありがとうございました」という
刑務所の定型文がしかし、彼女の字で書かれていました。

僕は自分が取材をしたうえで冤罪の可能性が高いと思った死刑囚の方には
年に2回ほどいくばくかのカンパを送っています。 
そのお礼の電報でした。

冤罪を訴えながらも死刑判決が確定してしまった彼、彼女たちは弁護士を含めほんの数人しか文通も面会も出来ません。ですからこれは僕なりの「繋がり」の示し方です。しかしこの権力側に決められた定型文のお礼の文章すらなかなか許可されません。林さんも何年もかかってこの定型文を送る権利を勝ち取りました。

この制限を「死刑囚の心の平安のため」など権力側はもっともらしいことを言いますが
はたしてそうでしょうか?
「権力側の心の平安のため」の間違いではないでしょうか?

奥西さん、袴田さん、死刑を執行されてしまった久間さん、彼らにしゃべられたくないと思っているのは誰なのでしょうか。




去年1年はテレビ報道の可能性も感じましたが限界も実感しました。

その上で、今年はもう一歩、前に進んでいければと思っています。

なかなか更新できない中でも毎日1000以上のアクセスがあり
ありがたい限りです。今年も自分に出来ることをやっていこうと思います。

どうぞよろしくお願いします。

いわぢろう


posted by iwajilow | 17:59 | 和歌山カレー事件の謎 | comments(0) | trackbacks(0) |
カレー事件から15年・スプリング8のナゾ
JUGEMテーマ:日記・一般

たくさんのコメントありがとうございます。そしてほとんど更新がない中でも毎日2000以上のアクセスがあり、本当にこのブログをかわいがってくださる方がたくさんいるのだなと思いただただ感謝しております。
まだ毎日更新はまだとてもできる状況ではないのですが、少しずつブログをアップしていこうと思います。

少し遅くなりましたが、先月20日に行われた和歌山カレー事件の集会の報告をしたいと思います。
この集会では映画「死刑弁護人」を見た後、監督とカメラマン、主役の安田好弘弁護士の対談が行われました。

「死刑弁護人」の中ではこんなシーンが印象的でした。カレー事件の弁護団会議でヒ素を入れたのが青色紙コップとされていました。検察の提示した証拠は白黒コピーで紙コップが写っていてその時は見過ごしていたそうですが、弁護団がカラーのものを請求するとそこに写っていたのは白の紙コップでした。ヒ素を入れていた紙コップは青色紙コップのはずなのに、どうしたことなんでしょうか?
その後の対談で安田先生は「僕は素材に過ぎず、僕を通して監督が自分の伝えたいことを伝えた映画だと思います」と話していました。謙虚な方です。
また光市事件の猛烈なバッシングについても「それほど厳しいとは思わなかった。襲われたわけでもなく1週間くらいものすごい抗議が来て、刃物が送られてきたりしたけどもそんなものだろうと思っていた。ただ一緒にやっていた若手弁護士の中には結婚を控えた弁護士がいて、彼は相手の家族にこの事件の弁護を担当していると言えなかったと言ってた。ほかの人は大変だったと思う。でも僕自身はそんなにひどくはなかった」と話していました。
けれども僕が取材活動の中で刃物が送られてきたりしたらいやだなぁと思います。安田先生のバッシングとは比べ物にならないけど、僕も一度だけ、取材先の親玉から「お前の小指を差し出すか、100万円持って来い」という電話があったことがありましたが、それも結構嫌でした。
安田先生の覚悟を感じます。
カレー事件の林さんついてはこう話していました。
「初めて会ったとき、林さんは非常に利発な人だと思った。この人がこの事件をやったとは考えられない。裁判所の認定している人物とはかけ離れていました」
そして事件について…。
「小さいコミュニティーの中の事件。名張と同じ。コミュニティーの誰かが犯人で誰かを犯人にしないといけない中で犯人探しが始まり、そして異端と言われる人が犯人にされていった事件だと思う」
そしてその後は弁護団から報告がありました。

再審に向けた動きの中で大きくは2点です。
1点は有罪根拠となったスプリング8の鑑定がかなりいい加減なのではないかという補充書を提出したというもの。もう1点は科捜研のデータねつ造問題について調べを進めているということです。
スプリング8を使った中井鑑定については
‘本で初めてスプリング8を使った鑑定であり、犯罪捜査に使えるのかという検証を経ていない
▲如璽燭数値化されておらず、見た目で判断されている
F碓貔識別について中国産のヒ素であるというところまでしか立証できてない。つまりカレーの中のヒ素、紙コップの中のヒ素、林さんの家の台所から発見されたというタッパーの中のヒ素の3つが同じものであるということは立証されていないと主張しています。

この主張は京大の河合潤教授の論文に基づいており、僕は説得力があると感じました。

この論文を読んでみましたが、そうだったのか―と思うような記述がありましたので1か所だけ抜粋します。

「スプリング8の中井鑑定によって複数の容疑者の中から犯人が林氏であると特定できたものだと私も含めたX線分析研究者の多くが思い込んでいたがそうではなかった〜中略〜中井鑑定では複数の関係者宅から収集した亜ヒ酸がすべて同じ同じ起源のものであると結論されている。私は紙コップのヒ素は林氏所有のヒ素とだけ一致したものと思い込んでいた」(本文では林氏はH氏とされています)


また科捜研のデータねつ造に関しては情報公開請求をしているがほとんど黒塗りで出てきたため、現在不服申し立てをしているとのことでした。

この弁護団の話は聞き取った分を末尾につけておきます。


そして林さんからメッセージが集会の最後の読み上げられました。
もう事件から15年。逮捕当時4歳だった一番下の女の子は20歳になっているそうです。
そしてこう続けられました。
「四面楚歌の長い日々を振り返りわが子一人一人の成長が何よりも大きく私の心の支えとなり、支えられてきた15年でした。上告審から支援する会が立ち上がり外では全く知らなかった方々に私や施設の子供たちを支援していただき皆様方には心より感謝して過ごしています。

平成19年6月1日の新法には外部交通も5人以上の許可となりましたが大阪拘置所は私には再々の申請にも不許可とします。このような日々外に支援してくださる方がいる。このことがない寄りの一番の心の支えとなり生活しています。毎日毎日自分を見失うことなく自分で自分毎日何回も叱咤激励し自分で自分に喝を入れ一日を終える、本当に本当に大変な神経、精神力で自分を支えることで精いっぱいです。

何としてでも一日も早く免田栄さん赤堀政夫さんのごとく死刑囚より静観せねばと毎日毎日自分に負けてしまわぬよう過ごしています。頑張ります。最後になりましたが本日は暑い中多くの方々がこの集会にご参加くださったこと誠にありがとうございました」

では弁護団のお話です。

まずはスプリング8の中井鑑定から。
「今回、資料につけています補充書3について簡単に説明したいと思います。この補充書3につきましてこれを作成することができるようになった大きな力となったのは京大の河合先生の分析の結果です。最近現代科学の6月号に和歌山カレー事件の信頼性ということで河合先生がもともとの中井鑑定では分析していなかった軽元素について分析すべきだと述べた論文です。それに対して最新号では中井さんの反論というか自分はこういうふうに考えたということを再び述べています。

中井鑑定がスプリング8を使って、これがいかにも決定的かのようにマスコミでも言われました。そして一審裁判所の判断が科学鑑定が非常に大きな位置を占めている。しかしながらこの中井鑑定は既にほかの証拠ではっきりしているヒ素が緑色のドラム缶(元のヒ素が入っていたと思われるドラム缶)由来である、とせいぜいそこまでしか述べていません。

要するに同一性識別といった場合にこの同一性識別をどのように考えるかということが根本的な問題なんですけども、残念ながら確定第1審から今回の論文をお書きになるまで僕ら自身が同一性鑑定という意味をきちんととらえられてないということがあったのだろうと思います。

同一性とは今回問題になっているプラスチック容器(林さんの家のキッチンから見つかったタッパー)、紙コップ(ヒ素を入れるのに使ったとされる紙コップ)、カレー、その中の亜ヒ酸が同じと言えるかどうか、これを鑑定すること。これが同一性識別であるはずなんです。

ところが中井鑑定で同一だと言ったのはそういう意味の同一ではありませんでした。簡単に言うとルーツどこなのかということしか鑑定していません。今言ったような紙コップ、カレー、プラスチック容器についてもともともの亜ヒ酸は中国産です。中国産のどこですか?それはよくわかりません。それくらいしか言っていません。


中井さんはこの論文の中でも緑色ドラム缶由来であるということを鑑定したんだということを言っているのですが中井さんの鑑定はそこまでできてない。由来が中国である。そういうことしか中井鑑定は述べていなかった。そういうことについてどういうふうに同一性識別をするのか?そのためにはどの元素に注目すべきなのかということが問題なのです。これはまさに軽元素。要するにそれぞれに特有の元素ですね、紙コップ、プラスチック容器、カレーに特有のものを考えないといけない。そしてそれらが同じかどうかを考えないといけない。これが結論的なところなわけです。

同一性識別といった場合にどういうような視点で判断するのかという点について、述べています。ここで述べているのは中井鑑定というのは本人も認めているように日本で初めてどろどろのカレーの中の亜ヒ酸とそれ以外のものを同じかどうかということを判断したものです。

しかもスプリング8を使って判断したということも初めてのことです。ちょうど事件の鑑定が行われる1年前にスプリング8の営業運転がはじめられた。スプリング8は役に立つのだといういわば宣伝という形で今回の鑑定が使われたという背景があると思います。

初物尽くしの中井鑑定、こういうやり方でちゃんとした検証、犯罪に関する鑑定ができるのかどうかという検証結果を見たうえで捜査の段階の鑑定に使えるのか判断すべきなのにそういうことをしてない。裁判で人の生き死にかかわるような結果を導く鑑定を全然検証しないまま初めて行うということは許されないということを述べています。


各試料についてナカイ鑑定は生産地が中国であるとその程度しかできてません。あたかもカレーの中の亜ヒ酸と紙コップとかタッパーの亜ヒ酸が同じだということが分かったように報道されましたが、そうではないということを述べていまして、中井鑑定は物質のルーツしか注目していないんですね。


重元素に注目しているのだけれどもそれはおかしい。中井鑑定の物質のルーツしか注目してないということは中井さんはほかの論文でも言っているのですが、重い元素に注目するということは地球の成り立ちから各地域で取れる鉱物には地域地域の特殊性がある、そういう鉱物の特性があるのでそれを調べるには重い元素に注目すべきだだと言っているのですがそういう物質史といういい方も中井さん独自の理論のようです。学会では必ずしも物質史論というのは支持されているものではないということを聞いています。


物質史論という言い方をするのですが、それも比較対象することが基本になるはずなんです。ところが今回の鑑定につきましてもそもそも中国産と言いながら中国産のどこなのか、中国の鉱山、工場、そこで取れたヒ素がどういうものだったのかという比較対象が全くできていません。それはわからなかったからです。緑色のドラム缶から由来するということしか言ってません。その前のドラム缶の前の工場、そこの亜ヒ酸というものがどういうものだったのか、これはわからずじまいです。もともとの作られた亜ヒ酸の量も全く分かっていません。

ですからそうすると元々がどうだったのかというもともとが全く分からない。産出地自体全くわからない。同一工場、同一時期同一の製造過程だから同一だというのが中井さんの鑑定結果なんだけども同一過程同一工場同一製造方法、それらがどういうふうな製造過程どういうふうな鉱物、どういうふうな地域なのか全くわからない。それが中井鑑定ということです。


彼がこの4つの重元素(アンチモン、すず、ビスマス、モリテブン)に注目したかというと亜ヒ酸の製造というのは亜ヒ酸というのは単体で亜ヒ酸になるわけではなくて銅の精錬過程で製造されると述べているわけです。その製造過程で銅鉱石を使ってその過程で亜ヒ酸が製造されるのですが、銅鉱石と言ってもたくさんあるだろうというふうに考えられるわけです。


ですからほかにも銅鉱石と言ってもいろいろな鉱物がある。一種だけではないです。そういういろいろな鉱石があるにもかかわらず抽象的に銅鉱石としかいってない。とするとなぜアンチモン、すず、ビスマス、モリテブン確定できるのか。銅の精錬で由来が一緒だと言っているのだけれども銅が一つの鉱物からできるのではなくていろいろなものがあるわけです。この4種に限る理由がありません。


分析手法として妥当なのか、正確なのか、時間がなかったからこういうのでいいんだと中井さんはいうのだけれども科学鑑定としては時間がないというのが言い訳になるのかという問題だと思います。

中井鑑定は簡単に言うとコンピュータで分析して折れ線グラフのようなかたちでモニターされたものをそれをアンチモン、すずであると判断していくわけですけども中井さんはそれを見た目だけで判断しています。僕らが一審からずっと言っていたのが数字で表すべきということです。


科学鑑定ですから数値化できるわけです。数字で表してこれが同じ範囲内に入るのか、それとも違うのかそういう判断ができるはずなのにもかかわらず彼はそういうことしませんでした。見た目、ほぼ同じ、大体数倍、そういう言い方が中井鑑定にはたくさん出てきますがそういう見た目で同じか違うかということをやるのであれば検証することが全く不可能ですし見た目でやるというのは素人でもできる。しかしながら鑑定というのは素人ができないから鑑定人がやる、専門家がやるわけです。専門家が鑑定をやる以上批判に対して答えられるというやり方をしなければならなかったのにそういうことをしなかった。


弁護団として見た目の鑑定はダメでしょうという言意見を述べてそのうえで谷口・早川鑑定というのが数値化した結果を出しました。これ裁判所における鑑定です。中井さんは自分の結果を確認したと述べていると述べていますが決して確認しているわけではない。谷口・早川鑑定は確かにすず、アンチモン、ビスマス、モリチブデンに注目してなっているわけです。そういう4元素に注目すれば同一種類と判断しているに過ぎない。そもそも4つの重元素を指標とすることは同一物質性ということを考えた場合、全く妥当性を欠くわけです。


そこで注目されるのはすず、アンチモン、ビスマス、モリブデンという重元素以外の軽元素がいっぱい出てきているわけです。そういう軽元素に注目すればまた違った結果が出てくる。そういう契機をもった鑑定だと言いえると思われる。


同一物資性を判断するうえで軽元素に注目すべきです。

そして軽元素に注目して考えると同一とは言えない。

こういうことを受けて今、再鑑定請求をしています。結論として軽元素に注目した再鑑定をすべきです」

続いて科捜研の問題についての弁護団の話です。
「去年の8月に和歌山県警の科捜研の研究員の一人が鑑定のデータをねつ造していたということが報道されました。その方は裁判も終わってもうその事件は刑事事件としては終わっているのですが、その中で問題になっているのは2010年から2012年の間の出来事のようなんです。けれでも報道ではわざわざこの研究員は和歌山カレー事件の鑑定にも携わっていたけれどもそこで不正なことは行われていなかったとわざわざ発表があった。

妙だなと思います。
そこで何か手がかりになる情報が得られないかと思い、情報公開請求をしました。和歌山県警と近畿管区警察局、警察庁に対して和歌山県警の科捜研の研究員が行ったことに対する捜査の結果を公開しろということをしました。
大量の書類が出てきました。タイトルを見るとなかなか興味深く中身が知りたいというのもあるのですが、真っ黒です。ですから具体的な内容は全然わからない。今は隠している部分について、不服申し立てをしている結果待ちの状態です。
ということで具体的なことが何もわからないので今日のところは何も具体的なことが報告できません」

長文、お読みいただきありがとうございました。
posted by iwajilow | 01:17 | 和歌山カレー事件の謎 | comments(1) | trackbacks(0) |
林眞須美さんからの手紙
JUGEMテーマ:日記・一般
 
先日、林眞須美さんから1枚のはがきが届きました。

去年、僕が獄中に送ったカンパに対するお礼状でした。
定型文で「差し入れ金確かに受領しました。どうもありがとうございました」とだけありました。

林さんはこのはがき1枚出すためにも大変な苦労をされたそうです。

この定型文を発信できるようになったのも再三の交渉の挙句、去年の11月1日だそうです。
しかも平日1日1通の枠でさらに「礼状発信願い」を出し許可を受けなければなりません。

刑が確定し処遇が死刑囚に変わってから、林さんにはこの定型文の礼状の発信すら許されない状況が続いていました。

「確定囚の心情の安定のため」と法務省は死刑確定囚の外部交通権を極端に制限しています。
僕を含め知人、友人など一般の人の面会は認められていません。私信の発信も受け取りも許されていません。基本的にはほとんどの時間を孤独の中で過ごすことになります。
しかしこれは「確定囚の安定のため」ではなく、「確定判決の安定のため」あるいは「法務省の心情の安定のため」でしかないと僕は考えています。

虚飾に満ちた言葉で自分たちの不当行為を正当化する。
これが基本的には行政のあり方だと僕は思っています。

posted by iwajilow | 12:17 | 和歌山カレー事件の謎 | comments(2) | trackbacks(0) |
カレー事件・林眞須美さんの絵
JUGEMテーマ:日記・一般

昨日、四谷でフォーラム90の主催する「響かせあおう 死刑廃止の声2012」という死刑廃止を訴えるイベントがありました。

僕は死刑については廃止とも存置とも立ち位置がまだはっきりしていません。しかし、今の日本の杜撰な司法制度の中で死刑制度を存置させる事は反対です。まともな裁判も行われない、事実認定のド素人によるメンツを保つだけの裁判で死刑にされてはかないません。

どう考えても、袴田さん、奥西さんは無罪でしょう。
そして執行されてしまった飯塚事件の久間さんもかな冤罪の疑いが濃いと思います。

これはやはり国家による犯罪以外の何ものでもありません。しかし、この犯罪を犯していても犯罪者は何も罰せられることもなくのうのうと暮らしているのです。全く僕は許せません。

フォーラム90は「冤罪」ということとは別に「人権」という視点から死刑廃止を訴えています。そういった意味で毎年、死刑囚の方々の絵画や文芸作品などが紹介されます。

今年もたくさんの作品が展示されていました。
生々しいものやパロディなど様々な作品が描かれていました。







展示ロビー






 



そして、そういった中であの林眞須美さんの作品が展示されていました。
僕は林さんのカレー事件も相当疑問を感じています。

知れば知るほど怪しい事件です。

そして林さんの作品自体も無実の罪で死刑が確定している自分の闘いを表現したものや家族への思い、悔しさを表現しているものでした。


林眞須美さんの作品


「母と子」4歳で離れ離れになってしまった子どもたちを描いたもの



これは七夕に4人の子供たちが送ってくれた短冊だそうです。







「死刑囚90人とどきますか、獄中からの声」という今年の5月に出版された本に林さんのコメントが載っていました。
林さんは「死刑囚」とされるのが嫌で死刑確定処遇と告知されるまでに自殺しようと決めていたそうです。しかし一転、現在は再審請求をして戦う意思を表明しています。それにはこんなできごとがあったそうです。一部抜粋します。

「そんな時に心のよりどころである大阪拘置所の医務部長に診察で自殺しそうなので眠れる眠剤を出してくださいと申し出したら『アレッなんで、うしろめたいことしているからやろ』等言われ私を犯人扱いして暴言を言われて、この時に大変腹が立ち眼が覚め強くなった。そのばで戦う意思が強くわきあがり、アンタ誰に向かってそんなこと言うてるのよ、アンタにね、そんなこと言われる理由はない、それでもアンタ医務部長か?と大声で言い返した。どやしました(いまもこの最低な医務部長です)。立会いの 看護師さん女子が私の一番心を許している職員であり、私の味方をしてもくれましたが、…殴り倒してやりたいアホな人です」

ちなみにこの本は確定死刑囚にフォーラム90がアンケートを送り、返してくれた確定死刑囚90人の生の声が掲載されています。
一つひとつ読んでみると、冤罪を訴えている方のなんと多いことか…。

僕にはその一つひとつを、虚言だと一刀両断にはできないのですね。
取材をしていけばしていくほど、虚言癖を持っているのは検察や警察や裁判所ではないかと思えて仕方がないのです。

やっぱり、こんな司法の現状で死刑を存置させてはいけません。

司法がまともになった上で初めて存置か廃止かという議論になるのではないかと思います。

カレー事件についてはこちらへ
http://blog.iwajilow.com/?eid=1056366
posted by iwajilow | 23:05 | 和歌山カレー事件の謎 | comments(1) | trackbacks(0) |
林さんからのメッセージ
さて、昨日のブログの続きです。

集会では獄中の林眞須美さんからのメッセージが読み上げられました。

「暑い中私のために集会に参加していただき誠にありがとうございました。またお忙しい中集会に来ていただきました森達也様、神田香織様などにも御礼申し上げます。

昨年6月23日に確定処分となってからの私の状態は雑誌「創」8月号に掲載されたとおりです。皆様からのお手紙をいただいても拘置所からは●月●日●●着信と知らされるだけで手紙本文は交付されません。ただお名前はちゃんと誰から来たかは、本人に伝わっております。しかし私はそれだけでも大変うれしく大いに元気づけられています。

お手紙をいただいた皆様に返事を書くことができませんがこの場を借りて深くお礼申し上げさせていただきます。これまでの集会に参加していただきました人ビットに感謝しながら、また未決時にお手紙を下さった方、面会してくださった方、その一人一人のお顔を思い出しています。力強い激励をくださったその言葉を頼りに日々を過ごしています。

何としてでも一日も早く再審無罪を勝ち取ることを目標に頑張りますのでこれからもご支援いただけますようにお願い申し上げます。本日は本当にありがとうございました」

現在、林眞須美さんのいる大阪拘置所は建て替えがされていて、荷物などを宅下げ(拘置所に預けてある荷物を引き払うこと)するように指導されているそうです。

それで林眞須美さんは本などを知人などに送っているそうです。

そういえば、僕もつい先日林眞須美さんから雑誌が一冊送られてきました。「これは何のメッセージ何だろう?」と考え込んでしまったのですが、たぶん宅下げする雑誌の中の1冊を送ってくれたのだろうなと、想像しました。

死刑確定囚は「心情の安定」のために外部との交通を制限がかなり制限されています。

当然、僕に手紙を送ることなどできません。ですので、考え込んでしまったのですがちょっと謎が解けてすっきりしました。

しかし手紙が来ても誰から来たか知らされるだけで中身がわからないというのはかなり悶々とする処置だと思います。
posted by iwajilow | 01:12 | 和歌山カレー事件の謎 | comments(1) | trackbacks(0) |
和歌山カレー事件「ただいま再審請求中」
「シロかクロかはわかりません。ただ裁判は明らかに不当です」

ゲストとして講演した森達也氏は和歌山カレー事件について
こう話していました。

18日、大阪で「〜和歌山カレー事件〜ただいま再審請求中」という支援集会が行われました。会場には支援する会代表の鈴木邦男氏をはじめ、この事件に疑問を感じる方々ざっと170人が詰めかけていました。

森達也氏は「状況証拠だけで死刑確定。強い違和感を覚えます」と話していました。



さてこのカレー事件、直接証拠は何もありません。すべて間接証拠です。眞須美さんが怪しいというだけで死刑確定です。

去年5月18日、死刑判決に対して申し立てた「判決訂正」が棄却され死刑判決が確定しました。この次の日に接見した高見弁護士はこの時の眞須美さんの様子をこう話していました。

「彼女はとても動揺していました。『今、棄却決定が来た』と。『先生明日再審請求所を出してよ』。確定したらすぐ出せるように準備をしていたのですが、その日が来たということで、あの日は手書きの弁護人選任届を作って彼女に署名してもらったということを覚えています。しかし次の日には出しませんでした。翌日、必ず誕生日までには出すということで説得しました」

そして彼女の誕生日である7月22日に再審請求がなされました。

主任弁護士の安田好弘弁護士はこう言います。
「だいぶ前から林さんが拘置所で虐待されていると聞いていました。拘置所の担当者から『死刑が確定すれば一番早く死刑がされるように上申書を書く』と面と向かって言われていた。『死刑を執行する時にボタンを押すのは本乙にいやなんだけれどもあなたに対しては喜んで押してあげる』ということを言われていました。ですので万一のことを考えて、早く再審請求を出して無罪を主張していくということを示し、死刑が執行されるという暴挙をとにかく止めようという思いで再審請求をしました。それだけでなくこれを梃子にして眞須美さんの無実を証明していきたいと思っています」

さて林さんは9件の事件で起訴され、そのうち1件は無罪になっているそうです。8件のうち4件は詐欺事件でこれは認めています。残りの4件の殺人事件、殺人未遂事件ついてやっていないと否認をしています。そのうちの1件がカレー事件です。

今回はその否認事件のうちの2件、カレー事件と葛湯事件について再審請求がされたということです。

カレー事件について確定判決が林さんを犯人であると認定した理由は4つからなっているそうです。

.レーに混入されていたものと特徴が同じ亜ヒ酸が眞須美さんの自宅台所の流し台の下にあったタッパから発見されている。

≒耽榿さんの頭髪から高濃度のヒ素が検出されている。

b耽榿さんのみがカレーの入った鍋に亜ヒ酸をひそかに混入する機会があった。

も耽榿さんがカレー鍋を開けるなどの不審な挙動をしていた。

弁護団はこの一つ一つに対して反論しています。

まず,砲弔い討任后0妥鎚杆郢里呂海離織奪僂砲弔い討癲崑臺儺震笋鮖っている」と言います。

タッパの発見の経緯はこうです。タッパは眞須美さんの家への総勢90名の捜査員による大規模な家宅捜査で4日目にして発見されます。林さんの家は普通の民家です。サティアンではありません。さらにこのタッパも隠されていたわけではありません。台所の流しの下の普通にボールやら鍋やらが置いてある所にそのまま置かれていました。しかも「シロアリ薬剤」と書いてある。

また当時中学3年生だった長女の陳述書でもこのタッパの不可解さが明らかになると言います。

安田弁護士「御嬢さんは毎日自分で弁当を作っていた。眞須美さんは自分で料理をするのが大嫌いで、子どもたちん勝手に料理を作らせる人だったらしい。子供さんは毎日自分で弁当を作っていました。そのお弁当の中に定番メニューがあり、それが卵焼きなんです。その卵焼きを作る時にボールを使うのですが、そのボールの上にこのタッパが乗っていた。

台所のシンクの下に両開きのドアがあって、そこを開けると棚がある。そこにボールがあり、その上に10センチ×15センチくらいのタッパがあった。これを警察官が4日目に発見するんです。そのタッパには『シロアリ薬剤』と書いてある。しかもその中を見るとほんの微粒子のような亜ヒ酸が付着していた。

お嬢さんにお聞きすると『毎日使っていたところにこんなものなかったよ』という。『こんなものあったら気が付いていた』。逮捕された時ですから10月です。『10月、自分は本当に毎日お弁当作っていた。そんなもの見たこともない』というわけです

もしこれ亜ヒ酸が仮にあったとすれば実におかしな話でどうしてそんな危険なものをどうしてこんな食べ物があるところに置いておくのだろう。眞須美さんは事件の後、カレー事件起こった後ヒ素が使われたということを新聞報道で聞きまして『確か自分のところは昔からヒ素を扱っていたな』、ひろアリ駆除をやっていたものですから疑われるかもしれないと言うのでわざわざ弟さんのところに電話をして『処分しておけ、疑われたら困るから』。そういう人が事件が起こったのが7月、逮捕されたのが10月、発見されたのがその4日後なんです。

ですからこんなものを仮に眞須美さんが犯人であれば残しているはずがない。こんなものがあれば当然お嬢さんが気が付いているはずです」

△伶耽榿さんの毛髪から検出されたというヒ素ですが、これに対して弁護団は再鑑定を要求しています。

というのも眞須美さんの毛髪から検出されたヒ素ですが、これは水銀のように体の内部に取り込まれたものが毛髪の中から検出されたというものではないそうです。外部から付いたヒ素です。そして眞須美さんがカレー鍋に入れた時に、ヒ素が舞ってそれが髪の毛についたのではないかと言われていました。この鑑定は同一の髪の毛を用いて2回されています。ところがこの鑑定、スプリング8での鑑定データと筑波大学の鑑定データでは付いている位置が違う。

スプリング8では切断部から48ミリ、筑波大学のデータでは50ミリ〜53ミリの位置だそうです。これは鑑定が間違っているからではないのか?ということです。そしてスプリング8の鑑定がもし間違っているのであれば、タッパについていたヒ素とカレー事件で使われたヒ素が同一のものであると鑑定したのもスプリング8ですから、信用性が疑われることになります。

また事件が起きたのが7月、髪の毛を採取したのが12月。その間の髪の成長速度を考えれば、ヒ素が付いていたのは7月の時点では髪の毛の根元と推測されるそうです。普通、舞ったヒ素が髪についたとするならば、毛先から付くでしょう。根元だけに付着するというのはおかしいと弁護団は指摘します。しかもヒ素は髪の毛につくと化学変化を起こし、洗ってもその痕跡は消えないそうです。

ですが本当に眞須美さんだけがカレーにヒ素を入れる機会があったのかということですが、眞須美さんは当時次女を一緒にいました。これは原判決も認めています。
その次女の方はこう言っているそうです。

「お母さんはうちに帰って来た。そしてソーメンをゆがいて家族で食べた。そして(当時大阪で放送していた吉本新喜劇の)テレビが終わるころまで見ていた。それからお母さんと一緒に家を出てカレーのところに番に行った」

つまり「その間ソーメンを湯がいて食べる20分以上ある。逆に言えば20分以上林さんがいない時間が存在していた。判決の言う『林さんだけが入れる機会があった』ということ自体、娘さんの供述によってつぶれることになります」(安田弁護士)

さらに最後の不審な行動。これは向かいの家の高校生の目撃証言ですがこれもいろいろな疑問点があります。

まずカレーの蓋を開けたのは次女だったと彼女自身が話しています。

そして目撃証言ですが2階の窓からレースのカーテン越しに見たということですが、非常詳細に目撃しています。

「(眞須美さん)は鍋の奥の方をしょっちゅうクマみたいに行ったり来たりして歩いていた。ちょっと背中を丸めて鍋を見ていた。背中を丸めて鍋を見ている時も道路の方は見ていた。鍋を見ながら道路の方を見ていたというのは顔は背中を丸めて下の方を向いて鍋の方を見ている感じで、それで目はまっすぐ道路の方を見ていた」ということです。

しかし弁護団は「15メートルも離れた位置で白いレースのカーテンを閉めた状態でしかも網戸とカーポートの薄茶色の屋根越しにそのような目撃をできるはずは絶対ない」と言います。

つまりこの目撃を可能にするにはレースのカーテンとか15メートルという障壁のほかに、カーポートの屋根を透視する能力がないとできないのです。
目撃者と眞須美さんとの間には屋根があったのですから。。

弁護団は同種のカーテンを使って表情を読み取ることが可能なのか、服の色を正確に見極めることが可能なのか、など実験をし提出したそうです。

安田弁護士は今も現場に行き、新しい証拠を探しているそうですが、今も県警がガードをしていてなかなか住民と接触できないと言います。

「現場に行って当時の重要な証人に会って話を聞こうと新し証拠を探しに行っているのですが今でも和歌山県警がガードをしています。私が話を聞こうとする人に定期的に県警が連絡を取って弁護人が来ているか来ていないか、弁護人と接触するなと言っています。私たちが行くと『警察に連絡しますよ』と追い返される。こういう状態が今も続いています」

これは実は僕も経験があって、ある警察官の不祥事を取材していたら、警察が現場付近の家々を丁寧に回ってマスコミには話さないようにと言ってまわっていたそうです。さすがです。

4つの林さんを犯人とした理由はこうして潰して行きました。しかし弁護団はまだまだ証拠が足りないと言います。

「新しい証拠をさらに獲得していこうと思っています。新しい証拠を獲得して太い幹にしてなんとか再審の壁を乗り越えたいと思う。どんな情報でもかまいません。これが役に立つかもしれないという情報をぜひ教えていただきたい」



安田好弘弁護士


posted by iwajilow | 00:02 | 和歌山カレー事件の謎 | comments(0) | trackbacks(0) |
和歌山カレー事件・辛淑玉さんの見方
遅くなってしまいましたが、今月19日にあった大阪で開かれた「あの判決ってやっぱりヘン!!―和歌山カレー事件最高裁判決―」という集会の報告です。

ゲストで来ていた辛淑玉さんは林さんとも面会したそうです。その上で再審から入った女性弁護士にこう質問していました。

「どうしても私の目にはビビリで虚勢を張って弱くて、きっと黙秘していたのはぶるぶる震えていたんだろうなぁと。そのバランスを取るためにふてくされた態度しか取れないとい感じがどうしても私の中にあるんですね。あなたはどう思いましたか」

女性弁護士
「自分を守るためにたくさんしゃべるというのは、ああそうだなと思いました。今まで3回面会したんですけど本当にマシンガンのようにずーっとしゃべっておられるんですよ。普通じゃないですよね。こちらが何か言うためにも来ているんですよね、弁護活動ですから。

アドバイスをしたり必要な情報を入手したり、そのための接見だと彼女も判っているんだとは思うんですけど、しゃべり続ける一つの理由としてやっぱり女子某にいて拘置所の職員の方に虐められている、それはたぶん事実だと思うんです。面会している間だけはそれはないんですね、だから面会の時間というのは彼女にとって弁護士だったら30分くらい面会できるので、話し続けている限り彼女は安全なんです。それもあるのかなと。

一番彼女の弱さを本当に感じたのは。初めて接見に行ったとき、その日に上告の訂正申し立ての棄却の決定が送達された日だったんですね。送達されたのが正式に拘置所の職務時間内に『来たぞ』と言われてしまうと確定になるらしいんですよ。

それが午後5時までしか出来ないらしいんでよ、彼女の理解ではそうだったらしいので、私たち3時に行って、4時過ぎくらいに帰ろうとしたんですけど、『先生ちょっと待って』と呼び止めるんです。『何で』というと『5時まで接見をしてもらったら、その言い渡しが出来なくなるから、確定されたくないからちょっと待ってください』と必死で言うんですよね。あの様子を見て、本当にこの人怖いんだなぁと思って。彼女の弱さなんてあまり取り上げられてないですけど、あるんだなと感じました」

辛淑玉さん
「今「子供が子供が」って言っているのはそういう母親で彼女はありたかったんだろうなという気がするのね。だから今出来る彼女の頭の中にある、小さな世界で一生懸命できる最大限の抵抗をしている。そういう母親でありたいし、そういうふうに思われたいし、こういう風に思われたいこういう風に思われたい。

彼女から届く手紙はもうあっちこっち届いていましたよ。私たちのやっている女組だったりホリエモンに届いたりいろんなところに届くわけですよ。もう手当たり次第ですよね。手当たり次第。あれが泣き声に聞こえるかもしくはあっちこっちに出しているのか。おおよそ幼い。見れば見るほど、テレビで見ていた彼女と現実の彼女のがギャップがあまりにも大きくてというのが私の率直な感想です」

林さんからは僕も手紙をいただきました。封筒には水色蛍光ペンで書いたような字で[HELP ME!と書かれていました。辛淑玉さんの「およそ幼い」という発言はわかるような気がします。必死なのかもしれないし、それが彼女の表現方法の一つだと思います。でも「幼い」よなぁ。

そして安田弁護士に彼女の精神状態を尋ねました。

安田弁護士
「彼女は最高裁で勝てるんじゃないかという期待を持っていた。それはやってないからだと思う。やってないものは当然認められるというのが冤罪の事件の当事者なんです。楽天的で警戒心がなくなっている。

やってない人間をどうして有罪に出来るんだという自信があるんですね。自信と期待感です。僕は最高裁の扱いでは期待する結果にならないということを常に言っていて結果にならないから長い将来の戦いがあるからそれに備えて今からどうやっていくか考えていこうということをいっていた。

僕との会話の中では判っていたと思うけど、心の中では叶うんじゃないかという思いがあった。それがだめだったものですから、混乱状態になりました。そういうものが一瞬にして飛んでしまうような混乱状態ですね。少しずつ落ち着いてきていますが、いつどこで執行されるかどうかわからない不安感。まだまだ時間がかかる。思い込みとか重い間違いをそぎ落として、一生懸命この間トレーニングしてきたのですがこの結果で吹き飛んでしまった」

辛淑玉さん
「林真須美さんの弁護団がいつも袋叩きの状態ですよね。安田さんは袋叩きになれている人生ですからともかくとして、そうすると裁判を闘うだけでなく社会とも戦わないといけないし、偏見とも戦わないといけないし、無知とも戦わなければいけないしマスコミ報道とも戦わないといけない。と同時に依頼者とも戦わないといけないわけですよね。そんなな中でこれから起きる裁判員制度も含めてこの林真須美さんの冤罪といわれるカレー事件の問題点を整理するとどういうことになるのですか?」

確かにマスコミは悪役を作り出してそれを徹底的に叩く。検察や警察といった権力側のお墨付きがあれば徹底的にやる。この世から抹殺するかのようにたたく。大義として語られるのは被害者感情…耳が痛いです。

安田弁護士
「この裁判がこういうふうに弁論やって判決をやって棄却するとこれは大変強引だったですよ。それは裁判員裁判がスタートする前に決着をつけるということであったのかなと思う、そうでないとなかなか説明できない。僕はこれほど強引な裁判の決着の付け方というのは経験したことなかった。この裁判が裁判員裁判だったら裁けるでしょうかこんな難しい事件を背負わされるんですよ。

ご本人は捜査段階から完全に否認。直接証拠はありません。確かに砒素が入っていた紙コップはありました。しかしその紙コップには彼女の指紋さえついていません。彼女がたしかに寸胴鍋を開けるところを見た人はいました。しかし見たという人は毒が入っていないほうの寸胴鍋を開けるのを見ただけで、毒が入っているほうの鍋を開けるところは見ていませんよ。

そういうふうな直接証拠が全くないところで本当に彼女が犯人であるといえるのかという判断を裁判員が迫られるんです。しかも有罪だとしてしまったら死刑しかないんですよ。こういうふうな大変な大きな問題を投げかける事件だった。

あれは決着済みということで終わらせてしまって、難しい事件ではなくて難しくない事件が裁判人裁判で行われるんですよ。こういう関係がある。裁判員裁判の彼女は犠牲者だったかもしれない」

辛淑玉さん
「何が報道されたのか、何が報道されなかったのかどういう事実が報道されなかったのかというところが一番問われているんだと思います。私自身マイノリティーとして生きてきて、美しい被害者にあったことがありません。

脱北してきた人たちもそうです。人のものを盗って何らかの形でだましながら生き抜いてきて、その人たちが被害者でありながら加害者になっていく。加害者になった人たちが実は被害者だったということはたくさんある。

けれどもどうも美しくなければ助けてくれない。心がよくて清らかでいい人で近所付き合いもよくて、そうでないともう助けてくれない。今回は物証がなくても人一人殺していいんだと。生贄として社会を鎮めるために彼女がささげられるのかなぁという感じを私自身は持っています」


辛淑玉さんと安田好弘弁護士

集会の後、安田弁護士に「何度も連絡したんですが…」というと「僕居留守使うから」とあっさり言われてしまいました。
posted by iwajilow | 23:30 | 和歌山カレー事件の謎 | comments(0) | trackbacks(1) |
林眞須美さんはどんな母親だったのか?
この週末、大阪で行われた林眞須美さんの支援集会には林さんの一番下の娘さんも来ていました。事件当時4歳。今は14歳です。

辛淑玉さんがインタビューしました。

あなたはどんなふうにお母さんを見ている?
優しいお母さんです。
どうしてそう思った?
誕生日とか絶対手紙来ます。
それから?
二日にいっぺんははがきや手紙が来ます。
夫には行かないけどあなたには行くわけね?
それで例えばどんな会話をする?
とりあえず学校のこととか、虐められてないかとか真剣になって聞いてくれます。
なんて答える?
虐められてないよって。
そういふうにいわないとな。お母さん心配するしな。他には?
何食べてるとか、普段の生活のこと。
お母さん洋服の趣味とかずいぶんぶりっ子よね?
(笑)はい、そうです。
それはあなたたちと気があうから?
いやぁ、ちょっと趣味は合わないです(笑)。
お母さん、わりとプリプリ系なの?
はい。
お母さんお姉さんたちとあまりうまくいってないみたいだね?
はい。
なぜだと思う?
わからないです。
あなたにとってお母さんはどんな人?
一番大切な人です。
お母さんに何をしてあげたい?
早く帰ってきて一緒に暮らしてあげたい。
もしかえってきたら一番最初にしてあげたいことは何?
一番最初ですか?
うん。
美味しいもの食べさせてあげたい。
お母さんは何が好き?
ケーキです(笑)。甘いものです。
お母さんちょっと太ったよね。何で太ったと思う?
甘いもの食べすぎで。
なかで?太ったりやせたりしたよね?
はい
なぜだと思う。
太ったのは食べすぎで。
やせたのは?
痩せたのはわかりません。デブになったときしか見たことないんで(笑)。
どうもありがとう。

そして彼女の挨拶です。

「今日はありがとうございます。判決が出ましたがこれからも頑張っていきますのでこれからも母さんのことよろしくお願いします」

集会の終わりには林さんからの手紙が読み上げられました。

「一審二審に加え最高裁でも上告が棄却され死刑が確定しました。やってもない罪で死刑囚と呼ばれる耐え難い日々が続いております。毎日笑顔もなくなりました。死刑確定後4月、5月とやってもいない罪で殺されるのならいっそ自分で死んでしまおうかと考えることもありました。しかし私はカレーに砒素を入れた犯人ではないのです。だから4人の子供のこと夫のことそしてこうして暑い中わざわざ集会に来ていただいた人のことを考えるとここで諦めることはできません。何がなんでも冤罪を晴らさなければなりません。それは何も私のためだけではありません。市民の司法に対する信頼をともり戻すためにも私はカレー事件の犯人でないことを司法の場で明らかにしなければならないのです。そのために私はこのたび再審申し立てをすることにしました。作られた証拠、隠された証拠など再審をめぐる厳しい状況は理解しております。しかし真実はいつか必ず真実として現れることを固く信じております。今、大変お忙しい中、集会に来ていただいている方々、大阪拘置所にわざわざ面会に来ていただいた方々、お一人お一人のお言葉やお顔を思い出しながら再審に必ず勝つと決意を新たにしております。明日7月20日は和歌山港の花火大会の日です。毎年、4人の子供たちと一緒に楽しんで過ごしました。平成10年も同じでした。そして7月22日は私の誕生日です。丑年ですから年女、48歳になります。再審裁判に必勝する決意をこめて。
平成21年7月19日林真須美」

今日再審請求がされました。

<毒物カレー事件>林真須美死刑囚が再審請求
7月22日14時53分配信 毎日新聞

 和歌山市園部で98年7月起きた毒物カレー事件で、殺人罪などに問われ死刑判決が確定した林真須美死刑囚(48)は22日、和歌山地裁に再審を請求した。林死刑囚は、有罪認定された7事件のうち保険金詐欺事件以外は無罪を主張している。


この集会のリポートはまた改めてアップします。
posted by iwajilow | 23:17 | 和歌山カレー事件の謎 | comments(2) | trackbacks(0) |
あの判決ってやっぱりヘン!?…和歌山カレー事件
「あの判決ってやっぱりヘン!!」
昨日、大阪で和歌山カレー事件を考える方々が200人ほど集まり
カレー事件を考える集会が開かれました。

動機がない、物証がない、自白もない、状況証拠だけで死刑判決が下されたこの事件。弁護団は7月22日に和歌山地裁に再審請求をするそうです。そしてこの日は林澄真須美さんの48回目の誕生日だそうです。

詳しいことはまた報告しますが、この集会に来ていた林澄真須美さんの三女が「お母さんの思い出って何?」と聞かれた時、「何もありません」と答えていたのが印象的でした。彼女は今14歳、当時はまだ4歳でした。

posted by iwajilow | 08:38 | 和歌山カレー事件の謎 | comments(0) | trackbacks(0) |
カレー事件・最高裁弁論
24日に「和歌山カレー事件」の最高裁弁論が開かれました。

「死刑案件は慎重を期す」という建前のもと、開かれるもので
決して下級審を見直すためのものではありません。

聞いた話では34枚の傍聴券のために並んだのは65人。事件の風化を感じました。


24日最高裁前

審議は「慎重を期す」そうです。

法廷では弁護側が新たな証拠調べを請求しましたが裁判長は「証拠調べは致しません」と言ったそうです。

弁護側が「本件は重大な事件」なので「上告の段階で再調査をした結果の新証拠」のための証拠調べ請求だとしました。特に証人申請した保健事務所所長は「国の機関である保健事務所が控訴審判決後に※『葛湯事件』について『林健治さんが自分から故意に葛湯を飲んだ』と認定しています」と異議を申し立てました。

裁判長は異議申し立てを棄却したそうです。

※葛湯事件
林眞須美さんが夫の健治さんにヒ素入り葛湯を飲ませ殺そうとしたが、未遂に終わったと検察側が主張する事件。弁護側が健治さんが保険金詐取目的で自らヒ素入り葛湯を飲んだと主張。健治さんも「自分で飲んだ」と言っている。詳しくは以前のブログへ。


さて、弁護側は何度かこのブログでお伝えしたように「動機も直接証拠もない。別に犯人はいます」と林眞須美さんの無罪を主張しました。

検察側は「前代未聞の無差別大量殺人事件」とし「動機が認定できないことが犯人でないことを意味するわけではないのは当然」と主張しています。

僕は眞須美さんが犯人かどうか全くわかりませんが、検察側の主張で疑問に思っている点をいくつか。

まず弁護側が「林眞須美さんをガレージで目撃したという証言は見間違いではないか。第一に服装が違う」と主張していることについて―

(目撃証言では「眞須美さんは白のTシャツだった」となっていますが弁護側は「白を着ていたのは次女、眞須美さんは黒のTシャツ」と主張しています。詳しくは以前のブログへ)

検察側は「目撃者は小さい時から次女を知っていて見間違うはずがない。近所の人との服装に関する証言も一致している。よって弁護側の主張は何の証拠も根拠もない」としています。

ですが、林眞須美さんの服装に関する近所の人の目撃証言が捜査の過程でなぜか「黒いTシャツ」から「白いTシャツ」に変わっていったこと、目撃者が2階のカーテンのレース越しに目撃したこと、などの疑問に対する答えは何もありませんでした。

また重要な証人であるIさん(葛湯事件で「林眞須美さんがヒ素入りの葛湯を飲ませた」との証言者)について、弁護側は以前「話を聞きたいと思って探したがなぜか全く連絡が取れない」と言っていました。そして「保険金詐欺については共犯の疑いもあるのに何もない。警察に4か月も拘留されていた」などから何らかの利益誘導があったのではないかと疑っています。

このことについても検察は
「I氏を警察が4ヶ月間保護したのは当人から『マスコミ取材から守ってくれ』と要請があった」ためで「その間、何ら利益誘導はなかった」と答えています。

しかし「マスコミ取材から守ってくれと」と警察が4ヶ月間も保護したという他の例を僕は全く知りません。

警察が「利益誘導」のため何か月も保護した例はたくさんの冤罪事件で知っています。

これももっと、まともに答えてほしかったなぁ。

また弁護側が「被告の家の台所からタッパに入ったヒ素が見つかったというのは、それ自体でっちあげの疑いがある」とされていることについて
「弁護人のいっていることは何の証拠もない、そんなことがあるわけがない」と言っています。

けれども、「強制捜査が入ってからなぜ何日も経ってから見つかったのか」とか「なぜ指紋が検出されなかったのか」(カレーなべに入れるヒ素が入っていた紙コップからも)とか「いつ他の家族が使うかもしれない台所の引出しに無造作にヒ素の入ったタッパが置いてあること自体おかしい」という疑問にも答えてくれませんでした。


最高裁かぁ…。
posted by iwajilow | 08:24 | 和歌山カレー事件の謎 | comments(0) | trackbacks(0) |