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闇の子供たち
タイの幼児売春、違法臓器売買をテーマにした重厚な映画です。
けれどもそういった重いテーマも江口洋介や妻夫木聡、宮崎あおいなどのスターが演じることによって見やすくなるんだなぁ、と感じました。

そして、阪本順治監督の映像表現もさすがでした。
特に直接そのものも見せないで想像をさせるというテクニックはすごいです。

例えば、訪ねて来た人の驚いた顔のカットの後に揺れているロープのカットで自殺を表現するとか、買われた子供がベッドの中で一生懸命つばを吐いているシーンで、この子供が売春相手に何をさせられたのか表現するとか、これでもかっていうくらい肥満の白人のオヤジが裸で出てきただけでもう、その後も想像出来てしまいます。

中でも秀逸は(ネタばれになってしまうので書きませんが)やはりラストのオチです。そしてそこにたどり着くまでのフックもたくさん仕掛けてあり、あのシーンはこういう意味だったのかぁと最後に納得させる技も心地よかったです。

さらにタイの子供たちの鬼気迫る演技も素晴らしかった。特に病気で捨てられた女の子が家を目指してボロボロになりながら歩いていくシーンは、それだけで涙モノでした。

ただ、僕は以前フィリッピンで違法臓器売買を取材しようとしたこともあり、また取材現場のボロボロさも知っているので、リアリティという意味では「?」と思うシーンも結構ありました。

例えば、新聞記者役の江口洋介がNGOのスタッフ役の宮崎あおいを連れて自分の新聞社に行くシーン。連れて行くところまではありだと思いますが、その後の記者とデスクの取材プランの打ち合わせにまで出席させることは現実的にはありえないでしょう。(普通はNGOの言い分を聞いたうえで、それをデスクなりに報告し取材プランを立てます。NGOを同席ささせてしまったら公平な記事はできないと思います。NGOの機関紙を作っているのなら別ですが…)

またその江口洋介が臓器をタイの子供から買う相手に取材をかけるときにも宮崎あおいを連れて行くシーンがありますが、これもありえないです。だって相手は記者だということで会うのだから、そこにもう一方の当事者を連れて行くのはルール違反ですよー。
取材のときにほとんどメモも取らないのも気なったしなー。で、取材であんな硬いしゃべり方しないし(単刀直入な物言いだと大抵取材相手は引いてしまって、何もしゃべってくれません。説得や主張と取材は違うもんなー)。

その他にも、妻夫木聡がカメラマン役なのですが、「殺されちゃいますよ」と嫌がる妻夫木を連れて写真を撮りに行くなんてありえないし(安全管理上絶対やっちゃいけないことです)、記者(江口洋介)がやばい取材に一人で行くこともありえない(もしかしたら新聞はあるのかなぁ?でも安全管理上これもないと思います。普通は現地をよく知る助手が一緒です)、さらに着任したばかりの宮崎あおいをスラムで突っ込ませるなんてこともありえない、そしてタイに短期留学していただけなのに、宮崎あおいのタイ語が完璧なのも、ホントかよーと思いました。

もちろんそうしなければ物語にならないからそう作っているのでしょうが、こういうありえないシーンを見ると「ありえねー」と突っ込みたくなって僕は引いてしまうのですね。

さらに江口洋介も日本語の芝居だと聞けるのですが、タイ語のセリフがどうしても棒読みっぽく聞こえてしまったのも残念です。

でも、そういうマイナス要素もありますが、きちんと児童買春や臓器売買の現実を描いているところは素晴らしいと思います。

繰り返しになりますが、最後のオチを見るだけでもこの映画を見る価値はありだと思います。


闇の子供たち/ 宅配レンタル『TSUTAYA DISCAS』

posted by iwajilow | 01:24 | いわぢろうのおすすめ映画 | comments(0) | trackbacks(0) |